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RYULOG

龍太郎の雑記ブログ

不動産業界に入った僕が26歳で退職する理由

はま龍 はま龍-脱サラ

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僕は比較的メンタルが強い方だ。
3年間、僕のいる営業所に新人が配属されず、3年間一番下っ端だった。
その為、周りの社員と同等の仕事量を抱えていたにも関わらず、営業所の雑務は全部僕がやっていた。
夜中の3時まで働き、朝の8時45分に出社、休みは週1なんて生活が続くことも多々あった。
残業は見なし残業なので、実際に残業した分の3分の1程度しかもらえない。

 

と、世間の人が聞けばブラックだと思うような企業だが、僕は別にそれをブラックだとは思わないし、それらを理由に辞めたいと思ったことはない。

 

では辞めたい理由の代表格である"人間関係"が理由か?
と言われるとそれも違う。
僕は比較的人なつっこい性格であると自負している。
周りの人間と親しくするのは得意だし、会社の人たちは好きだった。
その為、人間関係で悩んだことはない。
では僕が会社を辞めようと思った理由は何なのか。

 

僕が今の仕事を辞める理由の一つとして

 

「不動産という業界が好きになれなかった」

 

ということが挙げられる。
 

 

広告の変化

昨今、広告・宣伝の媒体は劇的な変化を遂げている。
Webサイトのアフィリエイトを始めとして、YouTubeなどの動画サイト、TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSへの広告。
さらに、テレビ局ですら最近はインターネット動画サービスに手を出し始めてきた。
テレビ・新聞という広告界の巨大艦隊がマスメディアの盟主として数十年、数百年広告界を支配し続けたが、そのような時代は今、静かに終わりを迎えようとしており、インターネットが新たな広告史の主人公として君臨しようとしているのだ。
 

 

「うん、で?」
「いやそんな誰でも知っていることドヤ顔で語られても…」

 

これがごく自然な反応だろう。
だが、僕が働いている不動産という業界は、それらの時代の変化と逆行する、非常に古典的で非効率的な広告・宣伝が今でもスタンダードなものとして定着しているのだ。

 

不動産業界の広告

不動産業界と一口に言っても不動産仲介、マンションデベロッパーなど色々あるが、僕がやっていたのは最もスタンダードな"家を建てて売る"不動産会社である。
そして、建てた家を売るためにエンドユーザーにアプローチする広告として、未だに主流なものとして活躍している手法と言えば

 

・新聞の折り込みチラシ
・アパートへのポスティング

 

である。(厳密に言えば売主であるウチの会社はat homeという会社に作ってもらう業者間専用図面やレインズと呼ばれる不動産業者間のネットワークを利用し、仲介会社に売ってもらうための、仲介業者向けの広告が主体になるのだが、専門的な話はここでは避ける。)
インターネット広告に多少なり知見のある人が聞いたら信じられない話であろう。

 

しかし、これが2016年現在の不動産業界の現実である。

 

新聞折り込み 

不動産会社が必死に折り込み広告を入れている新聞だが、その新聞とやらを購読しているのは今や60代、70代が中心だ。
彼らが家を買うだろうか。
言うまでもないが、当然、家を買うメインターゲットとなるのは30代前半~中盤である。
この世代が高校生あるいは大学生だったときに、インターネットはダイヤルアップからADSLへと完全に移行した。
そう、誰もがインターネットを気軽に利用できる時代が到来したのだ。
つまり、今の30代という世代は、ブロードバンド黎明期からインターネットに触れてきている世代なのだ。
みんな、自分の知りたい情報はヤフーやグーグルで検索をしてアクセスして育ってきている。
今の30代はみんなスマートフォン、タブレット、パソコンを使って情報収集することになんら抵抗がないのだ。
ともすると、金融業界などの一部の業界人を除けば情報収集の方法はほとんどがインターネットであろう。
新聞なんて過去の産物を定期購読している30代がどれだけいるだろうか。

 ポスティング

自転車をこいで1日に数百枚のチラシをポストへ投函する手法も不動産業界の伝家の宝刀である。
1日かけて、その広告を"数百枚だけ"まくのだ。
悲しくなってくる話だが、これも現実である。
なぜ、数分程度の時間をかければ、数万人に広告ができるインターネットから目を背け、3時間も4時間もかけて汗水たらして自転車をこいで数百枚程度の広告をしようとするのか。

 不動産業界とインターネット

もちろん、不動産業界の人間もインターネットを全く利用していないワケではない。
不動産業界の人間も「さすがに新聞折込みやポスティングだけでは人は呼べない」と、心のどこかでは分かってはいるのだろうか、ホームズやsuumoなどのポータルサイトに登録をして広告をしている会社も多い。

 

しかし、そこで儲けられているのはポータルサイトであって、ポータルサイトに登録している不動産会社は実際には成果に結びついていないことが多い。
賃貸物件を不動産ポータルサイトで探したことがある人なら分かるだろうが、1つの物件を何社もの不動産会社が登録をしている為、同じ部屋がいくつも出てくるというポータルサイト特有の現象がある。

 

ああいう広告を、なんの疑問を持たずにやっちゃうのが今の不動産業界のインターネット広告の限界なのだ。

 

残念ながら、こういうのを、インターネットを"活用している"とはとてもじゃないが言えない。
ポータルサイトに物件を登録をして、インターネットを活用をした気になっている不動産会社があまりにも多い。それを仕事だと思い込んでる人があまりにも多い。
そして、その現状に対して疑問を持つ人があまりにも少ない。

 

僕は、ブログを書き始めて、インターネットの広告というものへの理解を深めるにつれ、このような不動産業界の広告手法が次第に許せなくなってきた。
販売図面を数百社という不動産業者にこつこつFAXを送る自分のその行為がむなしくて仕方がなかった。

 

「そんなことをするよりも、ビデオ片手に物件のレビューをしてYouTubeにアップした方がよっぽど集客できますよ」

 

とでも言ってやりたかったが、この業界の人たちはインターネットリテラシーがあまり高くないのでそんなことを言っても理解されるはずもない。(もちろん宅建業法の広告規制等の問題はクリアする必要があるが)
不動産という業界は、昔からのやり方、泥臭いやり方が美徳とされる、恐ろしく前時代的な業界なのだ。
しかし、やらなければ上司に怒られる。
だから、「売るために」ではなく「上司へのパフォーマンスとして」そのような不毛極まりない行為をし続けたのだ。

 

僕はそのような、何物も生まない空虚な行為を今後何十年とし続ける気にはなれなかった。
20代という、二度と訪れることのない貴重な時間は、何かを生み出す為に使いたい。
そのような貴重な20代という時間を使ってやるべきことは、ただ捨てられるだけの紙をFAXしまくることでは、決してない。

 

それが、僕が会社を辞める理由の一つである。